さりげない優しさ

日本で満員電車の中、目の前に立った老人に席を空ける人は何割位いるんだろう?我先に電車に駆け込んで席を確保する姿は良く見かけますが、人に何かを譲るという姿はそれほど見かけません。


私がアメリカで暮らしていた頃、一時、黒人街の外れに住んでいたことがありました。スラム街とは言いませんが、あまり治安はよくありませんでした。銃声が聞こえることや夜に黒人に後を付けられ危ない目にあったこともあります。バスの中にはステレオを持ち込み、ボリュームを最大にして音楽をかけていることもしょっちゅう。この話しだけするとモラルのない国だなぁ・・と思うでしょうが、彼らには日本人にはない優しさがあります。


一見、強面の人やドラッグをやっていそうな連中でも老人や体が不自由な人が来るとすぐに席を空けます。「大丈夫?」と気遣うことさえあります。老齢者には敬意を払い、弱者には手を差し伸べる、そういう文化が根付いているんですよね。よくアメリカ人はレディーファーストだという話しを聞きますが、根底にはこういう文化があるからじゃないかな。もちろん他にも色々理由はあるんだろうけど、助け合いの精神みたいなものが強い!


重そうな荷物を持って大変そうな人を助けてあげる。ドアの向こうにいる人のためにドアを開けて先に通してあげる。そういうさりげない優しさは見習いたいですよね。



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