【ギリシャ】 ヨット生活

この記事を読んでくれている大概の人がイメージしているヨットでの生活と今回、私たちがバカンスで過ごしたヨットの生活は少し違うと思います。


「ヨット = セレブ」みたいな印象を受けるかもしれませんが、第一にヨットを持っている人達を見るとパッションがある。普段はただのお隣さんだったり、話し辛い人でも同じパッション(例えば仕事もそう)を持っている人には共通したものがあって、すぐに打ち解けることができる何かがある。ヨーロッパでヨットを持っている人は決して皆金持ちな訳ではありません。日本でも持ち家はないけど、車は買いますよね。感覚としてこれに限りなく近いと思います。もちろん、モーターボートや大型のヨットの場合は値段も高く普通じゃ買えませんけどね。


私が一番最初にヨットのバカンスをしたのが5年前。当時は何も知らずに乗り込み、嫌な人と一緒になったのであまりいい思い出はありません。ヨット生活は小学生の時の夏の海の合宿に似ていて、共同生活をする上での規則(私たちは大人なので別に書いたり、きちんと決めてはないけどなんとなくあるようなもの)があったり、グループ長(ヨットの場合、船長いってみれば総合的に操縦できる人)には従うという暗黙の了解があります。


真水は貴重でいつでもどこでも補充できる訳ではないので、なるべく節約します。だから皿洗いもパスタを茹でる水も海の水使うのなんて普通のこと。シャワーもなるべくすばやくします。シャンプーも海の水を汚す原因になるのでなるべく使う量を控え、港でなくて海の真中ならシャンプーした後、シャワーの水を使うのではなくそのまま海に飛び込み水の中で洗ったり。トイレットペーパーも海の中に直接捨てることが出来ないので、袋を別に用意してその中に捨てたり、トイレも手動なので結構腕の運動になったりします。冷蔵庫はあるけど、いつも冷えてる訳ではなく、冷凍庫なんて普通はないのでアイスなんて夢の食べ物。1週間や10日間もいるとホテルに泊まっている訳ではないですから24時間ずっと他人といると友達の見方ももちろん変わったりすることもあります。


だからもちろんヨットの生活に合わない人もいます。何を食べてもどこで寝ても誰といても柔軟に過ごせる人には向いているでしょう。でもヨット好きな人にはパラダイスです。新聞もテレビもない、ディナーを海の真中で食べワインを飲む。流れ星を寝っころがって見ることができる。朝起きたら朝食前に泳いで日向ぼっこしておいしいカフェとビスコッティをいただく。そういうシンプルな贅沢があります。慣れてきたら操縦の仕方や停泊の仕方を知ってる人に習うのも面白いですよ。


こんな風にヨットと言うと華やかな部分がイメージされますが、大変な一面もあります。それにヨットを所有するのは大変かもしれませんが、レンタルするだけなら車に毛が生えた程度ですし、みんなでシェアした場合、ホテル代も考えると安くあがるんです。


ギリシャ・ヨットの旅